発表会 逆サプライズ

高校3年生のD君は、ここ数年トリを飾ってくれる存在でした。

進学校に通いながら、勉強しなあかん、でもピアノは弾きたい。弾く時間がないというジレンマに苦しみ、今年は発表会を断念すると言っていましたが、

レッスンで楽しく弾いていた(超難しい)STORY・・・あんまりきれいに弾くので、これさ・・一部のちびちゃんたちがたくさんいる部で弾いてくれんかな

トリの重圧も無いし、帰って勉強出来るやろ・・・というと

うん、別にこれくらいならいいよ。と快諾してくれました。

彼は高校に入ったくらいから肺の病気に悩まされ好きだったサッカー部も辞めないといけない事になり、家で安静といわれて体が自由に動かせない日々もありました。

そこでピアノが無かったらと考えるとぞっとすると言います。

世の中の学校、ピアノを必須科目にすればいいのにと本気で思うと言っていた事もありました。

ほんとにほんとにピアノが大好きだけど、受験生だしね・・

きっと神戸にはいないだろうからということで、発表会の前日

先生、とりあえず、7月一杯で最後にするね。夏休みは夏期講習もあるし、がっつり受験体制に入らなあかんから、キリをつけるねと言いました。

だけど、イレギュラーで来ようかな(笑)

うん、たまには来るわ。

と言ってくれました。

発表会当日は、それは美しいSTORYを奏でてくれて、小さい子達の羨望のまなざしを受けました。

4部の後半これまた彼の妹ちゃんの黒鍵のエチュード

彼女も高校受験が終わった後から取り掛かった曲だったのでいつもなら

仕上げて来るのですが、当日仕上がりというあわせだったので、

当日思うような演奏が出来ず、お辞儀をして泣きながら舞台そでに来たので

抱きとめて一緒に泣きました。

Dちゃんは一部で弾いたあと、いったん家に帰り、4部の妹ちゃんの演奏の時に来ていたのです。

そして、全て終わったあと、ロビーで

「先生、今までありがとうございました!!」とお花を渡してくれました。

一部の彼の演奏が終わった時も、もう最後だと思ったので舞台そでで泣いた時は

スタッフに「いやいや・・先生早すぎるで・・・まだ泣くのは早いってば」

と言われたけど・・・

最後に泣かされると思わなかったな

泣いてばかりの発表会でございました。

ちっちゃかったのにね・・・立派な青年になりました。

こちらこそ、ありがとう。

 

大ちゃん

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