独り言です。すみません・・。

父が亡くなって25年になりました。
つい先日、広島の老人ホームなどで仕事をしている従妹が、同じ職場の方に言われたそうです。
昔ね、私は大きな住宅地に住んでいてね、そこにバイクやさんがあったのだけど、そこでバイクを買おうとしたら、おじさんが「あんたには売られん」と言われたと・・・
はぁ?どこのバイク屋?と聞いてみると、うちだったそうです(^_^;)
父は4輪と2輪の販売修理の商売をしていました。
その方は続けてこうおっしゃったそうです。
なぜか、そのおじさんは、凛として、あんたにはバイクは売れん、もしどうしても欲しいのなら他で買ってくれ。と・・・

そしてその方はそれ以降バイクを買わなかったそうです。
しばらくして、その住宅地に行く峠で女性がバイクごと下に落ちるという事故があったらしく、あのおじさんが私に売っていたら、

ものすごくどんくさかったから・・・私がこうなっていたかも、と思ってくださったそうです。
その話を母も私も父から聞いたことはありませんが、車もバイクも危険な乗り物。
危ないかもしれないと思ったお客さんには最初から売らなかった父を誇りに思います。

 

メーカーからのノルマも収入もあっただろうに・・・
人間生きていると色々な事がありますね。
その昔、父が売ったバイクで事故を起こし亡くなった青年がいました。
その親御さんが乗り込んで来て、父のくびったまを掴み、あんたが息子にバイクを売ったからじゃ!!と罵倒して帰ったという事は聞いたことがあります。
なんくせ以外何でもないし、悲しみの矛先を父に向ける事しか出来なかった親御さんの苦悩も分からないではないけれど、かなり・・・父は落ち込んだんだろうと容易に推測できます。

 

それが心の重しになり、売る事を拒否した父は家族にも黙っていたくらい、やっぱりその時も悩んでいたんだろうな。
25年の時を経て、父に会いたくなったのでした。
商売人と結婚するなと言われ、それは守ったけれど(笑)、自分が商売人になってしまいましたが、小さい頃から父の言っていた商売は、みんなが損をしないように、人の為になり、みんなに喜んでいただく事。

高等小学校しか出ていないという、学歴の全くない父ですが
あこぎな儲けを出すことも無く、誠実な商売をし、質素な暮らしの中から子供を育て、食べ物にも困らせることなく、音楽を学ばせてくれた父に改めて感謝。

58で亡くなったあと、一人になってしまった母も人に迷惑かけることなく普通に暮らしていける分だけは残してくれました。

 

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