足台を一番上にあげても全然足りない小さな子が来ました。
頭の良い子で、さくさく本が進みました。
そして、1年生か?2年生くらいの時にブルグミュラーを弾いていたんです。
だけど、お母さんから、習い事が多すぎて何か削らないとと思って・・・それをピアノにしようかと言ってるんです。
と言われました、まさかの申し出にびっくりした記憶がありますが、私、辞めて行かれる方を止める事はあまりないんですけど(話し合いの上で決められて結論をだされてるわけなので)
この子には「お母さん、この子は出来る子ですが、ここで辞めるにはもったいないんです。せめて、せめてこのブルグミュラーの本が終わるまで来られませんか?」
と言ったら、お母さんが、わかりました。そしたらそうします。
と言ってくださって、彼女はピアノもしながら、勉強をがんばりました。私学の中学を受験し、有名中学に合格。
ずっとずっとね、小学校4年生くらいから、勉強してきたんです。エスカレーターの高校にあがりましたけれど、やはり受験を見据えた学校なので、水泳もしながら、ピアノもしながらですけど、勉強ばかりしていたような気がします。
夏休みなんかもほとんど無かったしね。
だけど、高校でその進学クラス全員、ピアノで弾き語りというテストがあったんです。習ってる子も習ってない子も関係なく。
その時はやってて良かった~と言葉少なにいっていました(笑)
それから去年の12月。来月がセンター試験なので、しばらく休みますと・・・
間もなく、国立はダメだったけど、同志社大学の生命医科学部医工学科に入る事にしましたというメールが来ました。
やっと・・・勉強から解放されたんです。
この学部何を勉強するか、大体お分かりになると思いますが
ネットから(笑)
機械工学と医学の融合領域において、ヒトのための先端工学技術を学びます。
ヒトの動作補助を行う医用ロボット、医療・福祉機器、再生組織材料、信頼性のある生体・環境適合材料などの研究・開発を進めます。
ーーーーーーーーーーーーー
だそうです。これから人の役に立つこんな先進医療の勉強をすることはとっても素晴らしい事だし、きっと就職に困る事も無いでしょう。
彼女が掴んだ切符、金色に輝いていますよね。
そして、おばあちゃんちから通うからということで、
いったん区切りをつけますと、最後のレッスンで、お母さんがご挨拶に来てくださいました。
なんと、あれ以来・・・10年近くお会いしていなかったんです。(発表会は1、2度出演されただけでしたから)
あんなに小さかった子が、私よりも大きくなって、
お母さんが
受験の時、勉強の合間や、勉強に煮詰まったらピアノを弾いていました。ストレス解消に最高に良かったようです。
やっぱり続けさせて良かったなぁと本当に思ったんですよ。
と言ってくださいました。
ああ・・・良かったなぁとしみじみ・・・
極上のピアノと言って、月刊ピアノよりももっともっと難しい本があるのですが、それを楽しみにコツコツと弾いている子でした。もちろんクラシックの名曲も。
昨日で最後でしたが、また たまには来てくれるそうです。
私としてはここまで弾けるようになり、きっとずっと楽しみでピアノを弾いてくれるまでになったらもう後悔などありません。
長い事来てくれてありがとうね、あなたの成長を楽しませてもらった。本当にありがとう(#^.^#)
というと、スポーツウーマンらしく、深々と頭を下げて「ありがとうございました!!」といって、お別れしました。
すがすがしい春のお別れの一コマでした。
コメントを残す