今年の発表会のテーマは想像力

何気にテーマを勝手に私の心の中だけに決めていますが、

今年のテーマは想像力でした。

今の人達は(大人を含め)想像力の欠如による犯罪、いじめ、注意欠陥による事故などが多いと思っています。

こうしたらこうなる、この人は今どんな思いでいるんだろう、今この人は何を望んでいるんだろう。などなど考える機会があまりないのではないでしょうか。

今回、チワワが生まれるという大きな経験をしたMちゃんの事について、それをフューチャーしてプログラムのご挨拶に書かせていただきました。

以下抜粋

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ピアノを弾くという事はどういうことでしょう。

楽譜に書いてあるリズム、音譜を正しく読み、記号なども読んでそのまま演奏することでしょうか?

残念ながら、それはパソコンやスマホで出来るのです。芸術とは言えません。

人の演奏に大事なのはもちろん技術もありますが、大事なのは、『想像力』そして『表現力』です。

昨年、「Baby God Bless You」を演奏してくれた子がいます。コウノドリという、産婦人科で命についての全ての出来事が起こる内容のドラマの主題歌でした。作曲家の清塚さんいわく、God Bless You」は「祝福」という意味です。ただ、手放しの喜び、ではなく 人生の辛い事、苦しい事、色々な事を織り交ぜて、総合的に「おめでとう」という、意味合いの深い言葉を表現したいと思って作りました。ということだそうです。

これを演奏してくれた子は、去年チワワの家族が増えました。ほどなくしてもう一匹お迎えされたんです。なんとこの2匹が夫婦になり、赤ちゃんを授かりました。

そして、彼女は妹分だった子の出産に立ち会う事が出来たのです。

残念ながら一匹目はこの世の空気を吸う事も叶わないまま、逝ってしまいました。

が、あとの4匹は無事元気に生まれて来ることが出来たのです。彼女は、大事な家族が出産で苦しんでいる姿を見なければならなかったし、大きな悲しみと、大きな喜びをほんの数時間のうちに経験することになったのです。

まさに、この清塚さんがこの曲に込めた思いの全てを経験することになりました。

もし、彼女が今年この曲を弾いていたら去年とは違った感じの曲になったことでしょう。

子供達が育つ過程で、嬉しい事も楽しい事も、また悲しい事も辛い事もありますが、そんな経験が、人に対しての優しさや思いやりを育み、またこれから生きて行く力になり、『想像力』という大事な力を身に付ける事になるのです。

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彼女は人生のメリーゴーランドを演奏しましたが、

ギリギリになっても私の思うような演奏が出来ない。

そこで、メリーゴーランドってね、上にいったり下に行きながらくるくる回るでしょ、人生ってそうなのよね。悪い事があれば良い事がある、良い事が続くと悪い事や辛い事がある。人生ってそうやねん・・・

だから、Mちゃんだって、ほんの数時間に悲しい事も辛い事もあったし、でもその後、嬉しい事も感動する事もあったよね?

そして、もう一つ・・・・この子達と別れないといけない日が来るんだよ。想像出来る?というと、お母さんが涙されることに・・・

その時Mちゃんは、ぴんと来なかったんでしょうね、

そして、今週の月曜日、次のお休みにこの子達居なくなるんです。さいごに見てやってくださいと連れて来てくださいました。

4匹ね♪

めぐみ先生は「きゃ~~~可愛い~~~~」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私も歳がいもなく「きゃ~~~~~可愛い」

 

 

 

 

 

 

 

 

さすがに、別れる日が近づくと、彼女は毎日のように泣いているようです。

一緒に暮らした2か月は彼女にとって宝になったけど、同じくらい別れる事は辛い事。いろんな光景が浮かび、もう二度とこういう生活には戻らないと言う事をちゃんと想像出来るから涙が出るのです。

 

最後には「花は咲く」を合唱しましたが、

これも去年流行った「君の名を」を観に行った時、これは、震災の事をふんわり書いた映画じゃないかと思ったのです。

若者は夢中になりましたね、劇場で大泣きをした子も沢山いたと聞きます。

なぜか?それは映画の中に入り込んでまるで自分や、大切な人がそういう災害に巻き込まれたら・・・という事を初めてわが身に降りかかるような気がしたから・・・だと思いました。

大人で、想像力豊かな人は実際の震災の時に、その時に、もしこれが我が身だったということを考えて涙したと思うのです。

映画を観てから初めてわが身に感じる人が多かったと勝手に分析しました。

だから、いろんなことを想像出来る人になって欲しい。

自分がそういう悲しい思いをすると、人に対して優しくなり、考えられる人になる。

音楽を通して私たちが出来る事、教本にある小さな絵も見逃さず、子供たちに想像させて、どういう意味なのか、じゃあどんな風に演奏すればいいのか。

人生のメリーゴーランドだってそうですよね。

突然おばあさんになったら・・・(突然自分が何かわからない不幸にであってしまったら)どんな気持ちになるか・・・

宮崎さんもそう言う事を子供たちに想像して欲しかったんじゃないかなと思うのです。

それを考えて演奏出来る人になって欲しいと思い、こういうテーマにさせていただいたと言うわけです。

 

ちなみに、Mちゃんがメリーゴーランドを演奏する前に読んでいただくコメントはお父様が書いてくださいました。

これです。

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9回目の君の夏。

今年も君を側で見守ることができた事を倖せに思っています。

その夏に君は、新しい生命の誕生と、儚く消えゆく命、それを最期まで諦めなかった母の愛を目の当たりにしました。

廻り始めた命、結局歩き出すことなくこの世を去った彼、そんな状況に対し気持ちの整理ができないままだったけれど、今日まで練習を頑張ってきました。

ジブリ映画、ハウルの動く城の主題曲、まだ君には難しい選曲のようだったけど、例え、間違ったとしてもそれも含めての君の今年の夏の締め括り。

炎の化身カルシファーのような真っ赤なドレスで、再び彼の魂がメリーゴーランドにのってこの世に舞い戻ってくるような、魂を燃え上がらせる演奏をしてください。彼もきっと天国で応援しているからね。

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ちなみに、お父様は詩人ではありません(笑)が毎年 すごっ!というようなコメントをくださいます(笑)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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