Y君は、小学校高学年から習い始めました。
ぼちぼちやっている子ですが、今回発表会の曲は
とても難しい曲に挑戦すると言いました。
私は、これはかなり難しいから、今のY君には無理だと思うよ。
もし、ほんとにやりたいのなら、すっごく努力しないと・・・
というと、彼は「やります」と言いました。
そしてそれから・・・
やはり彼の考えは甘かった。
練習もする時間が無いし、率先して練習をしようとする気が今一つ起きないようでした。
だから・・・曲が前に進みません。
やるっていったよね・・・と言っても「はい」というだけ
かといって、その分練習してくるかといえばそうでもなく・・・
お母さんもずっとイライラしながら、お母さんと私でラインしていました。
そのやりとりの中で、こんな文章がありました。
お母さんも昔 武道をされた方だし、その子もやっています。
「なかなか練習しても思ったように行かなくて、イライラしているようです。だけど、私も彼も武道をした人間です。この場から逃げ出すというような事は絶対にさせません。恥をかくような事があっても恥をかけばいいと思っております。自分で言った以上、やらせますので、どうぞよろしくお願いいたします。」
母は強くて優しい。私の「母」というイメージはこんな感じです。
でも、子供が苦しんでる姿を見て、もうやらなくていいじゃない。簡単な曲にしたら?なんなら、出無くていいじゃない。
と・・・私でも言ってると思う。
だけど、このお母さん、腹が据わってる!!とこの文章から確信しましたね。まさしく山のように動かない母としての気持ちを持っておられる。と
それからは、私も動画を4小節ずつラインで送り、それを彼が真似をする。そんなキャッチボールが続きました。
もちろん、普通のレッスンでは足りなくて補講(有料ですが)もなんどとなく・・・
そんなこんなで、私からすれば、当日は完璧な所まではいかなかったけど、どうにか恥をかくような演奏にはなりませんでした。彼の弾き終えた顔は、にっこり満足した顔でした。
それから、何度か普通のレッスンしましたが、発表会でものすごく練習した成果が出ています。ページが今までよりずっと進むようになりました。
彼にとってはとても苦しかった数週間ではありましたが、得たものがたくさんあったなと・・・お母さんとも本人とも話しました。
しんどい山を登ったあとに見た景色はまだ脳裏に焼き付いているようです。
母の強い気持ちがあったおかげだなと密かに私はそう思っています。
よかった(#^.^#)
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