先日調律に来ていただいたのですが、その時に調律師さんから聞いたお話です。
4月くらいに背中が痛いというお母さんが病院に行ったところ、
すい臓がんが見つかったそうです。それもステージⅣの・・・。
あれよあれよという間にしんどくなり、
ご両親が暮らす福井の実家に伊丹から何度も往復されたそうですが、
70才になられたばかりのお母さんは死期を知り、終活を始められたそうです。
そして、「三毛猫が欲しいのよね」とおっしゃったと・・・
おそらくお父さん一人になってしまうのがきっと心配なのだろうと、
そんなお母さんの願いを出来るだけ叶えてあげたい、
それが唯一私が出来る事だと思った彼女はあらゆる所に登録をして、保護猫の三毛を探したそうです。
だけど、そういう団体はしっかりしてる所ほど、75才の一人暮らしの所にはお渡しできませんと断られたそうです。
そうしている間にお母さんは入院。彼女は調律の仕事をお休みして、
2週間福井に帰ってお母さんとお父さんの面倒をみられたそうです。
お母さんは食べられなくなり、点滴の針も体が腫れて入らない。
人間そうなると日に日に・・・ではなく、時間ごと弱るのだと。
入院して2週間後、先生に「死期はいつごろになりますか?」
と聞くと、「人の命なんてわからないもんですよ」という答えを期待したのに、
先生はあっさりと「今日から明日にかけてだと思います」とおっしゃったと。
大急ぎで伊丹から家族を呼んで、みんなでお別れと感謝を伝えてその後静かに息を引き取られたそうです。
それから、事後処理などで忙しくしていたある日、諦めかけた時に、
「お父様は高齢なので、もしもの時、あなたが責任をもってくださるのであれば」という事で、
可愛い三毛猫を譲り受けたそうです。
それがちょうど事後処理が落ち着いた49日の法要の日。(つい先日)
お母さんの名前から一文字もらって「みーちゃん」と名付けられたその小さな子猫は、
法要の重苦しい雰囲気を一掃してくれたそうです。
みーちゃんはお母さんの生まれ変わりかもしれませんね。
リアル「猫とじいちゃん」の生活をされておられるようで、
いつもお父さんの首元に寄り添うように寝てくれるんだとか・・・。
猫じゃらしも沢山あり、二人で助け合って暮らしておられるのだそう・・・。
LINE電話で(動画)で毎日確認されているようです。
お父さん一人なら冷蔵庫の残りもので済まそうという所、
猫砂や、猫餌を買いに行くためにいそいそと出かけておられるようです。
将来の事を考えると心配事もあるでしょうけれど、
こんな親孝行もあるんだなぁと
切なくて悲しい話ではありましたが、お父さんの気持ちが猫で救われたなぁとほっこりしたお話でした。
このお母さんとお父さんに、彼女という素敵なお嬢さんがいてくれたからだなぁと・・・
しみじみ・・・。
みーちゃん、よろしくね♪と他人ながら祈ってしまいました。
今うちに来てくださってる調律師さんは、調律学校の先生をされてた方です。
綺麗な音になりました。
うちの癒し、そして私の生きがい担当、もうすぐ落ちると思う・・・(笑)
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